石油の歴史−2

by 岡崎匡史 July 8th, 2017

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研究室より

(※ 「石油の歴史−1」 から続き。)
アメリカで本格的に石油が採掘されたのは1859年。
ペリー提督が日本を初めて訪れてから、わずか6年後。

セネカ石油会社に雇われていた山師エドウィン・L・ドレーク(Edwin L. Drake・1819~1880)が、北アメリカ大陸中東部にある五大湖の最も南のエリー湖の近く、ペンシルベニア州タイタスビルで石油採掘に成功した。

瞬く間にペンシルベニア州で「石油ラッシュ」が起こった。

シャーマン法

貧しい薬売りの子として生まれたジョン・D・ロックフェラー(John D. Rockefeller・1839~1937)は、石油をビジネスチャンスと見た。彼は石油の仲介人として商才を発揮し、弟のウィリアムと共に1875年に「スタンダード・オイル社」を設立。

価格カルテルを繰り返し、アメリカ中の石油市場の90%を支配して石油帝国ロックフェラー財閥の基礎を作った。だが、独占しすぎて嫉妬を買う。

1911年5月、米国最高裁判所は「シャーマン法」(反独占禁止法)を適用し、スタンダード・オイル社を34社に解体した。

セブン・シスターズ

徹底的に解体されたはずのスタンダード・オイル社だが、ロックフェラーは分割されたされた会社を再びまとめ上げる。

1950年代から60年代にかけて「セブン・シスターズ」(Seven Sisters)と呼ばれる国際石油資本が活躍。

「セブン・シスターズ」のうち、「ロイヤル・ダッチ・シェル」と「アングロペルシャ石油会社」(後のブリティシュペトロリアム、2001年に会社名をBPに変更)を除き、、、

・「スタンダードオイル・ニュージャジー」(後のエッソ、1999年にモービルと合併してエクソンモービル)
・「スタンダードオイル・ニューヨーク」(後のモービル、一九九九年にエクソンと合併)
・「スタンダードオイル・カリフォルニア」(後のシェブロン)
・「ガルフ・オイル」(後のシェプロン、一部はBP)
・「テキサコ」(後のシェプロン)

これらの大企業はロックフェラー系で国際石油資本の中枢を占め、国際政治に強い影響力を行使した。

20世紀は、どす黒い石油を奪い合った世紀であった。

赤い血がしたたり落ち原油に混ざり、国家は生存本能の赴くまま「資源争奪戦」を繰り返した。


ー岡崎 匡史

PS. 以下の文献を参照しました。
浦野起央『地政学と国際戦略―新しい安全保障の枠組みに向けて』(三和書籍、2006年)
副島隆彦『時代を見通す力 歴史に学ぶ知恵』(PHP研究所、2008年)

この記事の著者

岡崎匡史

岡崎匡史

日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。

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岡崎匡史

岡崎匡史

日本大学大学院総合科学研究科博士課程修了。博士(学術)学位取得。西鋭夫に師事し、博士論文を書き上げ、著書『日本占領と宗教改革』は、大平正芳記念賞特別賞・国際文化表現学会学会賞・日本法政学会賞奨励賞を受賞。