判決
6月3日、午後4時5分に判決が発表された。
被告の一人は、10年間の懲役の判決を受け、一人は最も軽い5年の実刑。そして残り六名は7年間の懲役刑の判決を受けた。
軍事裁判なので、上訴は許されなかった。
「全く性急な判決であった」とガンサーは述べている。
吉田の解釈
「性急な判決だとは思わない」と吉田首相は言った。
6月4日、吉田は
「かかる暴力事件の発生は、国際関係上極めて重大なことであり、政府とてまことに遺憾にたえない次第である。......マッカーサー元帥はじめ占領軍および米国等の指導と好意とを裏切るものである。......われわれは共産党指導下のかかる暴力行為は祖国の復興と発展とを裏切り列国の信用を失い......政府としては......共産党の非合法化を考慮せざるを得ない」
と言った。
屋外集会の禁止
警視庁は、「当分の間」全ての屋外集会を禁じ、「一切の集団行進、集会、集団示威運動等はこれを行なうことはできない」との声明を出した。
屋内集会だけを許可した。
アメリカ空軍B29の壊滅的な空襲で、日本には大きな講堂は残されておらず、また新築する金もなかったので、屋外集会の禁止は、共産党集会の規模を抑えるのに効果的であった。
東京大空襲後の東京
大阪では、警視庁が街頭での政治宣伝放送をも禁止した。
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。