新聞条例
日本の報道機関が彼の9月10日の指令と、フーバー大佐の警告を理解しなかったためか、マッカーサーは、9月19日に「プレス・コード」(新聞条例)を発令した。
⑴ ニュースは、絶対に真実でなければならない。
⑵ 公共の治安を乱す事は掲載してはならない。
⑶ 連合国軍に関して、破壊的または誤った批判をしてはならない。
⑷ 占領軍に対して破壊的な批判を加えたり、疑いや怨念を招くようなものを掲載 してはならない。
⑸ 公式に発表されない限り、連合国軍部隊の動静を報道してはならない。
⑹ ニュース記事は、事実通りに掲載し、意見を完全に除いたものでなければなら ない。
⑺ ニュース記事は、いかなる政治宣伝とも結びついたものであってはならない。
⑻ ニュース記事の一部を特定の政治宣伝のため誇張してはならない。
⑼ ニュース記事は、事実の一部を省略することで曲げられてはならない。
⑽ 新聞作成において、特定の政治宣伝をするために1つのニュース記事を不当に 大きくしたりしてはならない。
調教される「言論の自由」
プレス・コード発表にともない、マッカーサーは日本国民に、「プレス・コードは、日本の新聞に自由な新聞の責任について教育するために作られた」といい、そして「あらゆる新聞のニュース、社説、広告はもとより、日本で印刷される全ての出版物に適用される」と説明を付け加えた。
日本帝国政府は「言論の自由」を圧えつけていたが、マッカーサーは「民主主義のために」同じことを繰り返そうとしている。
マッカーサーは、日本のマスコミが自分の監視の下、再び効果的な宣伝機関になることを望んでいた。
この記事の著者
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。
西 鋭夫
1941年大阪生まれ。関西学院大学文学部卒業後、ワシントン大学大学院に学ぶ。
同大学院で修士号と博士号取得(国際政治・教育学博士) J・ウォルター・トンプソン広告代理店に勤務後1977年よりスタンフォード大学フーヴァー研究所博士号取得研究員。それより現在まで、スタンフォード大学フーヴァー研究所教授。